FF金利誘導目標レンジは、0.5-0.75%で据え置き。金融政策のスタンスは引き続き緩和的。FRBの動き自体は予想通り。
トランプ政権誕生の動きを見極めるにも時間が足りない。そのため、今回のFOMCは、現状維持となりました。
インフレ・利上げ:FOMCに対する市場の反応
このFOMCの金融政策に対し、イエレン議長、ダドリー副議長、 ブレイナード理事、エバンス総裁、フィッシャーFRB副議長、ハーカ ー総裁、カプラン総裁、カシュカリ総裁、パウエル理事、タルーロ理事 が賛成した。ブルームバーグ
これを受けて、市場関係者のコメントをロイターから拾ってみました。
- ウェルズ・ファーゴ:ブライアン・ジェイコブソン氏:FRBは2%のインフレ目標に自信を高めている。リスクは、FRBが市場の予想を上回るペースで利上げをすること。
- シティズンズバンク(ボストン):トニー・ベディキアン:最新のGDPは予想を下回るも、物価指数は上昇。財政政策は不透明。FRBは状況を確認するため待つだろう。
- ハンチントン・ナショナル・バンク:ジョン・オーガスティン:利上げ予想を示唆しなかったこと・財政や経済政策について話さなかったに驚き。
- チャールズ・シュワブ:ランディ・フレデリック氏:ややハト派的。3月利上げにコミットせず。FRBは2017年に3回の利上げを見込むが、全て下期に利上げになるのだろうか。だとすれば驚き。
今回のFOMCは、おおかたの予想通り。一方で、年三回の利上げを行うならば、いつ行うのだろうかという点が気になります。
1月6日には、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁が、今年3度の利上げを行うことを示唆。
エバンズ総裁は「2度の利上げは理にかなわない予想ではない。指標次第だが、上振れなら3度の利上げもあり得ない訳ではない」と述べた。
【スポンサーリンク】また他のFRB高官の多くと同様、トランプ次期政権下で見込まれる財政刺激策を経済見通しに反映させたことを明らかにした。米経済は今年、2─2.5%の成長を遂げ、インフレ率は来年までにFRBの目標とする2%の水準に戻ると自信を深めたと述べた。ロイター
では、いつ利上げを行うのでしょうか?
●GMOクリック証券のFXネオ:米ドル/円日足チャート
12月15日の118.665円、1月3日の118.607円を天井に、下落が続いています。2017年に入ってから、ボラティリティが高い状態での乱高下。大きくどちらかに跳ねるリスクを覚悟して、FXを取引しましょう。レバレッジの掛け過ぎには要注意。
米FOMCの次回利上げはいつ?
安田佐和子氏のサイトに掲載されたCNBCのFedサーベイによると、5月か6月に利上げする可能性が強い。
次回利上げの予想平均値は前回通り5月でしたが、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見などを予定する6月14~15日開催のFOMCが43%と優勢。次に多かった回答は、3月13~14日予定のFOMCで35%となり、少なくともFedは上半期に1度利上げすると見込まれています。MYBIGAPPLE
CMEの利上げ予想確率を見ると以下の通り。
- 3月:17.7%
- 5月:34.3%(0.75-1.00)18.3%(1.00-1.25)
- 6月:46.7%(0.75-1.00)18.3%(1.00-1.25)2.1%(1.25-1.50)
5月か6月が利上げの予想としてスタンダードになっていることが分かりますね。
原油価格(WTI)は、53ドル前後で動いており、OPECの協調減産によって、需給バランス・価格とも安定しつつあります。英国にインフレの兆しがある中、3月のFOMCでは、もう少し踏み込んだ声明が聞けるのではないでしょうか?