英国の1ポンド硬貨は、偽造防止を目的に新しくなります。2017年3月28日から新しい1ポンド効果の流通開始。1983年に現在の硬貨が使われ始めてから、34年ぶりの切り替えです。
ユーロを利用せずに、独自路線を行くイギリス。EU離脱の前に英ポンドの信頼性を維持しておかないといけません。
新1ポンド効果の導入
偽造技術の進歩により、1ポンド硬貨のニセモノは大量に出回っており、2~3%はニセモノ。英政府の見積もりでは、約4500万枚にも達するとのこと。30個に1個は偽造コイン。
4500万ポンド(約64億円)ものニセモノが出回っていれば、問題ですね。
イギリスで生活していて驚くことの一つが、流通している硬貨の種類の多さ。特に50pコイン、1ポンドコイン、2ポンドコインの種類は、それぞれが優に20種を超える。正直こんなに種類があったら、それっぽいデザインの偽コインを渡しても普通に通ってしまうんじゃないか…と不安になる。オックスフォードな日々
英王立造幣局は、世界で最も偽造しにくい硬貨になると、気合十分。様々な偽造防止の技術を導入したとのこと。
潜像加工や複雑な文様や文字を活用しているとのこと。しかし、様々な硬貨を流通させていては、人同士がやり取りした場合、なかなか判別がつきにくそうですね。
潜像加工は日本の造幣局も自慢している特殊技術。日本の500円硬貨には、微細点加工も施されています。
見る角度によって数字が見え隠れ貨幣を見る角度、つまり光の入射角、反射角による反射光の明暗の差による現象を応用したものです。英国の2ポンド貨をはじめ諸外国の貨幣にも使用されていますが流通貨幣としての発行は数例のみとなってます。造幣局
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これだけ頑張っても、日本の500円硬貨は、韓国の500ウォン硬貨を使った偽造が流行りました。
精密に真贋鑑定すれば、潜像加工や微細点加工は生きてきます。しかし、経済の現場でいちいち細かい判定をしていては、商売が成り立ちません。500円一枚を受取るごとに、虫眼鏡で調べたり機械を通してピーピー警告音が出るような店で買い物をしてくれませんから。
どうしても、一定の偽造が出ることは避けられないでしょう。ただし、新硬貨流通で、偽造にチャレンジする意欲をくじいて、ある程度の偽造防止効果は出てくると思います。
新1英ポンド硬貨のデザイン
デザインは、円形から十二角形に変更されて、表面がエリザベス女王、裏面が王冠+英国の4地域を象徴する植物。
●新1ポンド硬貨
イングランドのバラ、ウェールズに西洋ねぎ、スコットランドのアザミ、北アイルランドのクローバー。
この図柄は、公募で選ばれ、当時15歳の少年「デービッド・ピアースさん」の案が採用されました。
「自分の案を出す前に、硬貨のデザインとはどんなものか、どういうデザインにすれば英国のすべての地域を表現できるのか、長い時間をかけて調べた」とピアースさんは語る。CNN
上手に英国の4地域を表現していますね。
現在の1ポンド硬貨は、2017年10月15日に廃貨となり、お店等での支払はできなくなる予定。銀行等への預け入れはできます。
硬貨切り替えは、英ポンドの動きに影響するのでしょうか。FXを取引していると、こういったニュースも気になりますね。