日銀は、2016年7月29日の金融政策決定会合で、金融緩和の強化を決定。
米ドル/円の5分足チャート:荒れ模様。DMMFX
緩和決定直後に105.50円前後まで円安に進み、その後、すぐに円高に。103円を割り込むレベル。
2016年7月の日銀金融政策決定会合:追加緩和の内容
- ETF買入れ額の増加:年間3.3兆円から6兆円に倍増
- 成長支援資金供給・米ドル特則を120億ドルから240億ドルに倍増
- 米ドル資金供給オペについて、国債の貸付制度の新設
以下は従来通り。本当はFX・市場としては、マイナス金利の利率アップや国債買い入れ額増額など、下記の施策を予想しており期待外れの結果。
- マネタリーベースを年間80兆円相当
- 長期国債は年間約80兆円の買入れ
- J-REITは、年間約900億円の買入れ
- CPは約2.2兆円、社債は約3.2兆円の残高維持
- マイナス金利:政策金利残高に-0.1%を適用
日銀は、政府の取組と相乗的な効果を発揮すると指摘しており、次は、政府の役割である財政政策・成長戦略に期待がかかる。
賛否は、基本的に木内議員の反対がほとんど、櫻井委員・政井委員は黒田総裁への賛成派。
市場予想では、マイナス金利幅の拡大他、更なる緩和が予想されていただけに期待外れの円高。これ以上の追加緩和や緩和長期化は持続性に欠けるとの議論が出ているだけに、日銀の苦悩が伝わってきます。
しかし、相場は荒れ模様で、FX会社のスプレッドも一時的に拡大していました。
引き続き、FXトレーダーの方はご注意ください。浅いストップロスは瞬間的に刈られてしまいます。
経済・物価情勢の展望
- 我が国経済は基調として緩やかに拡大
- 物価は当面小幅のマイナスないし0%程度で推移。
- 物価安定の目標となる2%程度に達する次位は2017年度中と見るが、不確実性が大きい
- 成長率は、財政面での景気刺激策の効果もあり、上振れ。
- 消費像是延期に伴い、駆け込み需要とその反動減は均される
- 金融政策運営は2%の物価安定を目指して、マイナス金利付き量的・質的緩和を継続する。
2016年度の実質GDP&CPIの見通しは低下。
黒田総裁は記者会見で、マイナス金利の深堀余地や量的緩和の限界に達していないと発言。国債の2/3は市場にある。財政ファイナンスではないと、量的緩和の限界論を否定。
黒田総裁が、量的緩和を否定すれば終りですからね。余地が少なくてもそんなことは言わないでしょう。