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  1. 英ポンドとイギリス
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英国のEU離脱が決まれば、1992年のポンド危機は再来するのか?

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2016年6月23日、英国のEU離脱・残留を決める国民投票日は、世界の金融関係者にとって眠れない夜になりそう。

英国民投票の投票締め切りは、日本時間の24日(午前6時)=21:00GMT。

英国民投票(ブレグジット)のリアルタイム情報は英BBC速報が見易くて早い。

Leave:EU離脱 Remain:EU残留

セントラル短資FXは、ロンドン在住のFXトレーダーである松崎美子さんに午前6時~7時半の間、英国の状況を生中継する模様。

FX・為替相場のイギリス・ロンドン情報を発信する点で、松崎美子さんはピカイチ。英ポンドはもちろん、米ドルや日本円も荒れそうな英国国民投票の日は、松崎さんの情報を見ておきましょう。

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英国国民投票実況生中継

英国の投票はどうなる

EU離脱・残留のポンド危機に備える金融市場

英国のキャメロン首相も、ここまで、EU離脱・残留派が接戦を演じるとは思っていなかったでしょう。ブックメーカーのオッズや世論調査は、EU残留派優勢から離脱派優勢へと勢力を変化させ、キャメロン首相やエリザベス女王をはじめ、政府や王室の説得工作を受けてなお、国民投票の結果がどちらに動くか分かりません。

このため、ドイツ銀行・JPモルガン・ゴールドマンサックスなどの大手銀行は、ポンド危機に備えた体制を構築中。

欧州中央銀行(ECB)および英国中央銀行(BOE)は連携を取り合って、危機に対処する構え。もちろん日銀やFRBもバックアップしています。

EU離脱派が勝利した場合に英ポンド危機で起きそうなこと

もし、EU離脱派が勝った場合、英国とユーロに大きな影響が出る可能性があります。その時は、安全資産が買われてリスク資産が売られる危機が起きる可能性あり。前回、EU離脱(ブレグジット)での英国が被る損失も参考にお読みください。

ドイツ・米国・日本・スイスなどの国債はすでにお腹いっぱい買われています。それでも更に買いが進むかもしれません。

市場相場はInvesting.com 日本 によって機能されている

 

  • 英ポンドの大幅下落:英国の経済への損失は約16兆円、約100万人が失業とのCBI報告有
  • ユーロの下落:英国離脱がEUにも損失を与える。EUにとって英国は大事な存在で離脱すると経済にダメージあり
  • 世界的な経済危機と新興国危機:リスクオフにより新興国資産が売られて安全な資産が買われる。すなわち世界的な経済危機が起きうる
  • 米ドルや日本円・スイスフランの高騰:安全な資産として、米ドルや日本円・スイスフランが買われる
  • 中央銀行の対応:EU離脱が決まり、経済危機が起きれば、中央銀行が用意していた救済プログラムを発動する可能性
  • 債券バブルの崩壊:マイナス金利ゾーンまで買われている債券。行き過ぎはバブル破裂への道
  • 金価格の高騰:安全資産として金が買われる可能性がある。
  • 英ポンドをはじめスプレッドの拡大:流動性低下で取引できない。もしくは売値と買値のスプレッド幅が拡大

日本でいえば、九州が独立するようなものでしょう。幸いというべきかイギリスの場合、通貨はユーロではなく英ポンドを使っているだけに、通貨を変更するリスクは避けられます。

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●英ポンド/円の月足チャート:アイネットFX

英ポンド円の月足チャート

149円前後で動いている英ポンド/円(2016/6/17)⇒EU離脱でリスクオフが進行した場合の目先目標値は134円辺り。月足ですからそれまでに紆余曲折あると思いますし、EU残留に決定したり、中央銀行の対応策で反発する確率にもご注意ください。

1992年の英ポンド危機

1992年9月16日に起きた英ポンド危機は、ブラックウェンズデーとも言われる出来事。英国病と言われた時代。原油に頼る英国経済は社会保障費用の増加・既得権益の強化・勤労意欲の低下と問題を抱えていました。あれれ、今の日本にも当てはまりそうな病ですね。

英国の国土

その中で、英国は、EC(欧州共同体)が進める欧州通貨制度(ERM&EMS)に参加することを決定。これは欧州内での為替相場を一定の範囲内での変動に固定するものでユーロ導入前の準備段階として開始されました。

残念ながら、その後の英国経済は、さらに悪化。一方、東西ドイツを統合したドイツはインフラ投資を増やし欧州の金利は上昇。こうなると変動相場制の下では、強い欧州通貨に対して弱い英ポンドになるはず。しかし、欧州通貨制度で固定相場となった英ポンドは高いいままに止まってしまいます。このゆがみは長く続きません。1992年9月になると、投機筋が英ポンドを売り浴びせはじめ、イングランド銀行の防戦すら打ち破って、最終的に英ポンドはERMを脱退して変動相場制に移行。これが原因で統一通貨となったユーロに参加することなく英ポンドを使い続ける結果になりました。

この時、ドイツは、英ポンド防衛に回らなかったと言われており、今も根強く残る英国人のドイツやEUに対する警戒感として残っています。また、英ポンド危機の時は、ジョージ・ソロスを筆頭とするヘッジファンドが台頭して、イングランド銀行を負かした男として名を上げました。

歴史は繰り返すの言葉通り、今回のEU離脱問題も、結局、前回の英ポンド危機が根底にあります。

  • 強いドイツへの警戒感や正論を押し付けることへの不信感
  • 統一通貨ユーロによって、ドイツ有利周辺国不利になる固定相場制
  • 一時的な損失を受け入れても、このままでは欧州主導の政策を押し付けられる点

為替相場の変動は、経済を混乱に陥れるとやり玉に挙げられることも多いながら、固定相場制の弊害は、これまでも人類は繰り返してきました。

今回の英国民投票で、英ポンド危機が起きるかどうか、いよいよ2016年6月23日です!

ポンド危機:wiki 1992年の英ポンド危機解説

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