2016年7月10日に投票される日本の参議院選挙。アベノミクスと消費税増税延期の信を国民に問うべしと安倍首相は意気込んでいます。選挙は米ドル/円をはじめとした為替相場に影響を与えるのでしょうか。
●日経平均株価と米ドル/円:2016年6月14日
米ドル/円は106円台、日経平均株価は16000円と2016年は、株安・円高が進行中。
※GMOクリック証券のFXネオ
なお、今回の選挙から選挙権年齢が今までの20歳以上から18歳以上に引き下げられます。世代間格差の是正に向けての第一歩と言えるでしょう。
参議院選挙での与党の目標
連立与党の目標議席は、改選議席の過半数獲得。121議席中61議席が目標。自公の改選議席は59議席ですから2議席プラスできれば目標達成。
野党側は候補者を一本化することで、自公に対抗する構え。
参議院選挙が為替相場に与える影響
選挙前には、各政党が政策を打ち出すことがあり、その政策次第で為替相場に大きな影響を与えます。
また、政権交代した場合には、かなり大きなインパクトを与えることもあり、典型的な例は、2012年の選挙で誕生した安倍晋三政権が打ち出したアベノミクス。
●与党の敗北シナリオと為替相場
可能性が低いとはいえ、与党の自公が大敗北を喫した場合には、為替相場は大きくリスクオフへと動くことが予想できます。
国民が関心を持っている争点は経済政策と消費税を含めた社会保障。与党の敗北は、これまで打ち出してきたアベノミクスによる株高・円安政策の失敗と継続性を失うことになりますから、円高・株安が意識されるでしょう。
●与党の勝利シナリオと為替相場。
逆に、与党が大勝利となった場合には、政権の安定度が高まったと見ることができます。政権の安定は、元々、為替に安定をもたらします。そのため、かなり売り込まれている米ドル/円は、少し円安に戻す可能性があります。また、伊勢志摩サミットで約束したアベノミクスの再加速や財政政策発動にプラス材料ですから円安要因が増えることになります。
選挙前の日銀金融政策決定会合
6月15・16日に開催される日銀金融政策決定会合。英国の国民投票(EU残留か離脱)が6/23に迫る中で、追加緩和はないという見方が一般的。
ただし、参議院選挙を有利に進めたい政府側から、追加緩和実施への圧力がかかっている可能性があります。株安・円高が進んでいる中で、少しでも、為替と株価を戻しておきたいと考えて追加緩和を実施する可能性があることを考えておきましょう。
日本の参議院選挙は7月10日ですから、6月23日の英国の状況を見てから、そのため、為替相場もその時の状況次第で変化しているかもしれませんね。
⇒6月16日、日銀は追加緩和に動かず。為替相場は103円台に突入。
●米ドル/円の月足チャート:DMMFX
- 第24回参議院議員通常選挙
- 参議院選挙特集:朝日新聞デジタル
- 今年の一月には改憲を目指すことを安倍首相が表明。おおさか維新を含めて2/3の162議席:毎日
参議院選挙の前、英国の国民投票が開票されてEU離脱派勝利となり、為替相場は大きく円高に振れました。
●米ドル/円の日足チャート:DMMFX 2016年7月6日
米ドル/円は、100円割れと大幅に円高。その後、戻す場面もありましたが、再度、100円に挑んでいます。参議院選挙前に100円割れが当たり前になっているかもしれませんね。