金融庁は、FXの法人顧客についてレバレッジ規制を導入する意向。個人は、すでに25倍を上限としたレバレッジ規制が導入済み。しかし、法人顧客はリスクを十分に理解しているとの考えから規制は設けられていなかった。
そのため、FX各社は法人顧客の最大レバレッジは、100~400倍に設定することが多く、高レバレッジ取引をセールスポイントにして顧客獲得を狙っているLPやバナー広告を見ることもありました。
日経新聞は4月13日に電子版で記事にしています。
●DMMFXの口座照会画面
2017年にFX法人顧客のレバレッジ規制を予定
金融庁は2016年4月6日に規制の事前評価書をPDF化。FX法人顧客のレバレッジ規制について内容をまとめています。
これを見ると、2015年1月のスイスフランショックの影響が大きかった様子。法人顧客の損失がFX各社全体で約13.8億円、1法人顧客平均でも約1500万円。これと同様の事態が生じるとFX会社の財務面にダメージを与える恐れありとのこと。
スイスフランショックにより海外ではFX会社の破綻が相次いでおり、大手業者のアルパリUKまでもがなんと一夜で破たん。
関連法令:金融商品取引業等に関する内閣府令第117条
そもそもレバレッジ規制の目的は何だったのか?
- 顧客保護
- 業者のリスク管理
- 過当投機防止
400倍等のレバレッジによって、FXトレードブームが巻き起こり、投資経験の無い人・若い人がハマったり、金融系以外の一般雑誌でも記事広告・広告にFX会社が登場するなど社会現象となっていたこと。
当然、少ない資金で大きな取引を行う、一攫千金型のトレードで投資資金を失う人も出てきました。金融庁や消費者庁にも相当のクレームが入ったことでしょう。そここで、過当競争及び過当投機でFX会社・顧客の両方において、損失を出すリスクが出てきたために、レバレッジ規制が実施されました。
こういった経緯が背景にあるだけに・・・
法人顧客のレバレッジが100~300倍と個人規制がはじまるきっかけとなった400倍レベルのレバレッジに近づいていることからも、いずれ法人も規制が行われることは致し方ないでしょう。
主なFX会社の法人口座レバレッジ
- FXブロードネット:400倍
- SBFXトレード:200倍
- 岡三アクティブFX:100倍
- GMOクリック証券:100倍
- DMMFX:25倍
2016年4月19日調査
FXブロードネットの400倍が最大レバレッジ。DMMFXは個人・法人を共通にしており、彼らは法人規制がどのレベルに設定されてもOKですね。