ボリンジャーバンドで売買を行う時は、バンドの下部で買い・バンドの上部で売りの逆張りトレードを行う方がほとんど。
ところが開発者のジョン・ボリンジャー氏自身は、そのような単純な売買方法を奨めていません。実際、ボリンジャーバンドは価格の動くにつれてバンド自体も動くため、価格はバンド上部を滑りながら上昇やバンド下部を滑って下落することがある。
これをバンドウォークと呼ぶ。そこで、別の売買方法としてバンド幅が縮小して動きが無い段階=バンドスクイーズから急激に動き出す時の売買パターンをご紹介します。
バンドスクイーズからのブレイクアウト売買方法
バンド幅の急激な広がりとレンジのブレイクアウトはトレンド開始。
下記は典型的なバンドスクイーズ。バンド幅が狭くなる期間が続いた後に、レンジをブレイクアウトしてから一気に下落トレンドに向かう。
このブレイクアウトの前に起きるスクイーズ(縮小)を意識しておき、急激なトレンド転換を早めに掴むことができれば大きな利益を期待できる。
チャートは、短い足より4時間~日足位の時間軸を見ておいた方が的中する確率は高いだろう。特に4時間足・日足はおススメ。短い足のバンドスクイーズでは大きな値幅は取り難い。
ファンダメンタル的には、ギリシャの大統領選挙問題やユーロの量的緩和の話題で下落。赤い四角で囲んだ個所がスクイーズからのバンド幅拡大個所。
SBIFXトレードの4時間足:ユーロ/円
ボラティリティ縮小と拡大
為替相場に限らず、相場は常に変動している訳ではない。砂浜に押し寄せる波のように激しく打ち寄せる波の日もあれば、穏やかに打ち返す波の日もある。
24時間取引できる為替市場とはいえ、相場を動かす材料がなければFXトレーダーも銀行のディーラーも売買できない。そんな時のボラティリティは低くなりがち。
ところが、そんな穏やかな時に、相場を動かす大きな材料が投下されれば、チャンスを待ち構えていたトレーダー達が一気に動き出す。売買をしない日が続いていたため保有ポジションも少なく資金量も豊富。そこに重要なニュース&トレンドブレイクが合わされば鬼に金棒。
相場はどちらかの方向に動き出し始める可能性が高い=これがバンドスクィーズの動き。
激しい動き=戦いの日々が終われば穏やかな日に。投下された材料を元にした新たな相場水準が出来上がるため、変動幅は縮小する。
ボリンジャーバンドのブレイクアウト売買方法
【ボラティリティ―ブレイクアウト】:変動幅が極端に狭くなった後、価格が上下どちらかにブレイクした場合にブレイクした方向に売買を行う。
●豪ドル/円の4時間足チャート
バンドスクイーズの事例:バンド幅が縮小した後に下落トレンドを描く局面の例。
バンド拡大とパラボリックの転換が揃った時点で売りポジションを持つ。ストップはパラボリックの数字を利用。
上記の左側の赤線はちょうど豪ドル/円が100円を割り込んだところ。パラボリックのストップは101.18円に置くことに。
結局、豪ドル/円は95円を割る水準まで下落。
ヘッドフェイクに注意
●豪ドル/円の4時間足チャート:上の赤線ラインを拡大。
バンドが狭まりスクイーズ状態になった後、下落トレンドを描いた例。しかし、その前に一度、豪ドル/円は上昇しています。これをヘッドフェイクと呼び、FXトレーダーを悩ます癖。ボリンジャーバンドの基本解説にも書きましたのでそちらもご覧ください。
回避するためには、百パーセントの勝ちを目指さないこと。
バンドスクイーズだけに頼らない
そして、他のテクニカル分析を併用することです。
元々、ブレイクアウトしたかどうかの確認にはトレンドラインや移動平均線などのテクニカル分析を併用します。
上記のヘッドフェイクチャートではパラボリックを表示しトレンド転換を判断しています。=初心者の方にできるだけ単純で視覚的に判断しやすいため。
また、ストップオーダーを置くポイントとしては、パラボリックもしくは保有ポジションの逆方向となるボリンジャーバンドの標準偏差を利用します。
ストップオーダーはお好みの方法で。