FXは短期売買専用ではありません。先物取引と違い、「取引期限」がなく、安く買って高くなるまで保有する長期投資のために利用できます。ただし、FXで長期保有するには、コツがあります。
新興国通貨や資源国通貨は、金利が高く日本の低金利よりも魅力的。代表的な通貨は、南アフリカランド・トルコリラ・豪ドルなど。外貨買い日本円売りのポジションを取れば、毎日、金利差として【スワップポイント】が取引口座に入金されます。
外貨預金や投資信託よりも取引コストや売買のしやすさ=いつでも決済できるなど有利な点が多いので、ぜひFXトレードをご利用ください。
外貨の長期投資は為替差益とスワップポイントを狙うのがコツ
●2014年11月の大和証券が取り扱う外貨預金金利を参考にすると、南アフリカランドやトルコリラの高金利が魅力的。
- 米ドル:年0.5%
- 南アフリカランド:年4.5%
- トルコリラ:年6.0%
- ※3ヶ月間の限定優遇金利のため一年間預けたとしても上記金利は受け取れません。
FXは、取引コストが安く(手数料無料でスプレッドが狭い)、レバレッジの活用からデイトレードなどの短期売買投資家に人気。
しかし、FXの長期保有で大きく金利収益と為替差益を得ている方も多い。
長期投資の利点は、日々の細かい為替変動に影響されずに大きな利益を狙える点。そして為替差益とスワップポイントという二つの利益を狙うことができます。
- 為替変動による差益
- スワップポイントによる金利差収益
●米ドル/円の月足チャート:2000年~
長期的ドル高円安相場は、アベノミクスによる金融緩和と震災によるエネルギー輸入増加=貿易赤字化でトレンド転換。
●豪ドル/円の月足チャート:1997年~
リーマンショックそして世界金融危機の影響で54円台に急落後、105円を回復。
約50円の値動きは1万豪ドル保有時の損益=50万円に相当!
FXで長期投資を狙うためのコツ
上手に売買を行えば、大きな利益を得られる可能性があるFXの長期保有。ベンジャミン・グレアムそしてその考え方を学んだウォーレン・バフェットは、投資で利益を得るために、株式の長期投資を推奨していることは有名。
FXで株式と同様に長期保有を行う際にはコツがあります。バフェット氏の投資方法などと共通の部分も多いはず。
- 長期的視野に立ち投資対象となる通貨を決める
- すでに金利が上昇している通貨より、これから上昇する可能性がある通貨を買う
- 7~8年に一度、暴落する可能性があることを覚悟する
- 他国が金融危機のときこそ買いのチャンス
- 投資信託が一般人向けに大量に売られている通貨は避ける
- 20年程の長期チャート(月や年足)を見て上限近辺は売り、下限近辺は買い
- 購入する前にその国のGDPや貿易収支の推移を確認し将来を予測する
短期トレードは、得られる値幅が小さいために、レバレッジを生かしての取引・ストップロスの設定などが利益を出すための必須条件。
一方、FX長期投資のコツはレバレッジを低めにして、ストップロスを設定しなくても良い位の取引量で長期にわたり保有し続けること。
FXは、株式と違い、国が倒産して、米ドルや日本円といった通貨の価値が無くなることは確率の低い問題。
変動為替相場は、為替相場の変動によって国同士の経済格差や貿易収支を調整します。輸出が好調で景気が良いと、通貨が高くなり徐々に競争力を失います。そして、経済不振の国は通貨安が生じて、その通貨安のおかげで競争力を回復します。何年もの周期でこの上下を繰り返すのが基本ですから、下がりきったところで安い通貨を買うのが長期投資のコツと言えます。
なお、ゴールドマン・サックスをはじめ外資系銀行・日本の銀行で活躍してきた為替ディーラーは、毎日や毎月の成績に追われており、長期的な視点での予測を苦手とする方も多い。そのため、週末を超えてポジションを持ち越さないことをモットーにすることもある。FX長期保有派は、半年~5年程度の期間、ポジションを持つわけで短期トレーダーの考え方は当てはまらない。
豪ドルや英ポンドでFXの長期投資は始めましょう。
むしろ、FXの長期投資の場合、普段は、為替相場で当たらないアナリストの視点が役に立つことがあることにも留意ください。
長期の外貨保有を始める入門としては、南アフリカランドやトルコリラよりも豪ドルや英ポンドなどから始めることをおすすめします。トルコはエルドアン大統領の政治方針・南アフリカも政治的な混乱やストライキなどが多くて、思わぬ通貨変動に巻き込まれがちでリスクが高いという特徴を持ちます。
もちろん、米ドルやユーロといった主要通貨の長期投資は、リスクが小さいFXトレードが可能。
また、米国株を保有したいが、米ドル下落リスクのヘッジを行いたい方もFXで行えることをご存知でしょうか?この話はまた改めて記します。