EUの一員ながら、ユーロに加盟せずに独自通貨を使い続ける英国。英ポンドは歴史・取引量などで重要な通貨です。FXにおいて値動きの荒さ・スワップポイントの高さなどからハイレバレッジ規制前は人気の通貨でした。
現在もスプレッドが狭く、情報量が多いことなどから取引量の多い通貨。取引シェアは米ドル・ユーロ・日本円に次ぐ規模ながら、投機筋の思惑で値動きが荒くなる傾向が強い。
- 英ポンドの呼び方:GBP、スターリング・ポンド、ケーブル
- 硬貨は1ペニー・2・5・10・20・50ペンス、1・2ポンドの8種類
- 紙幣は5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンドの4種類
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ユーロ圏の影響を受ける英ポンド
ユーロには加盟していませんが、EUの大国であることにかわりはありません。また、地理的にも欧州との結びつきは強く、ユーロと似た動きをする傾向があります。
英ポンドのデータやサイト
- 金融財政政策当局:BOA(イングランド銀行)
- イングランド銀行総裁:マーク・カーニー(前カナダ銀行総裁)
- イングランドの政策金利:みんなの外為、外為どっとコム政策金利の推移
- 経済指標:外為どっとコム、JETRO
英ポンドの主な特徴と変動要因
英国の特徴を見る前に輸出入のデータを見ておきましょう。
- 輸出:408,124英ポンド(百万)(2013年)
- 輸入:492,800英ポンド(百万)(2013年)
- 輸出:自動車、原動機、船舶等
- 輸入:医薬品、自動車、原動機等
出典:JETRO
金融立国、北海油田、先進工業国と様々な顔を持つ英国。現在も世界各地に英国領の島や影響を持つ国があり、世界の株価に占める英国企業の割合は多い。そこから上がる収益は英国が持つ力の源泉。
ユーロとの相関関係
ユーロとは、貿易相手国、地政学的に強い関係を持ちます。一方でユーロを使用せずに独自通貨「英ポンド」を持つため、ユーロ/英ポンドの関係に着目しておくことも必要です。
●ユーロ/円と英ポンド/円の月足チャート:GMOクリック証券
類似した動きを見せています。
キャリートレードとスワップポイント
英国ポンド(GBP)は、値動きの荒さそして金利が5%程度と高かったため、スワップポイント狙いの投資家も多かった。そのためキャリートレード狙いに活用された通貨ペア。
FXトレーダーには、スワップポイントが低くなったとはいえ値動きの荒さから人気がある。情報量も多く初心者には難しいながらも中級者以上のトレーダーにはおすすめ。
スコットランド独立やEU離脱
英国の政治状況的にスコットランド独立問題やEU離脱問題があります。
イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの連合王国である英国は、イングランドの力が強くスコットランドには不満が溜まる一面があります。ゆえに、スコットランド独立派が力を持つと政治的な不安が高まり英ポンドは安くなります。
また、2017年末までにEU離脱を問う国民投票が実施される見込みで、欧州ソブリン危機・ギリシャ問題で揺れるEU加盟の意義が問われます。
英国の利上げ
英国は、先進国の中でもインフレターゲットの導入が早く、消費者物価指数を前年比2%プラスマイナス1%を目標に掲げています。カナダ経済を立て直したカーニー総裁の手腕が見もの。
そして、英国経済は、他の先進国より景気堅調方向で推移しており、2015年~2016年にかけて利上げが実施されると見込まれています。⇒ポンドの県庁要因。
英国内の不動産や公共交通機関・娯楽のチケット代の高さは有名です。ただし、インフレ率を見て利上げを決めていくであろうことからEUの混乱やユーロの動向などで消費者物価指数に与える影響を見ておく必要があります。
●英ポンド/円のスプレッドは1.1~2前後が中心。
●SBIFXトレードの為替レート画面