世界経済が再加速することで、米ドルも日本円も弱くなるとJPモルガンの佐々木融氏は、FX相場の予想をロイターに公表。
目先一カ月程の米ドル/円は、111円程度までの上昇を予想も、2018年後半は下落し、年末のターゲットを106円に維持したまま。
ちょうど良い機会ですので、佐々木融氏が気にしているポイントを見ておきましょう。現在の米ドル/円は109円台後半(2018年6月5日)
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リスクオフからオンで、円安進む
●日銀の国債買い入れオペ減額:日銀の出口戦略とリンクして、円高に進むと予想されていたイベント。ところが、実際の動きは、円安でした。日銀は、出口戦略とは関係ないとの姿勢を維持。FX市場の動きは、日銀の意図を理解したよりも円の動きが弱いことを示唆と佐々木氏は考えている様子。
●米朝首脳会談:2018年6月12日にシンガポールで開催予定
●イタリア政局:新政権が発足し、しばし安定
●EU・カナダ・メキシコへの関税発動:保護主義強化の動きに警戒
市場をリスクオフに傾けた北朝鮮とイタリアは、良い方向へと進む、リスクオフからオンへと改善しました。さらに、5月の米雇用統計は、非常に良い水準となり、失業率は1969年12月以来の3.754%に低下。
FOMCでのドットチャートに注目
2018年末の政策金利予想は、中央値で2.25%→引き上げられる可能性が高い。
JPモルガン・チェース銀行は、年4回の利上げを予想(3月・6月・9月・12月)=3月は利上げ済みであり、6月利上げ確率は高い。
FRBの利上げ中は、米ドルが弱くなりやすい⇒世界経済全体が強く、全体的な中銀の利上げが予想される場合、米ドルも日本円も資本調達通貨としての役割から下落する。
カギは、他国の状況。米国だけが強いと、米ドルが買われやすい。他国の経済も強く、利上げが相次げば、米ドルも日本円も下落するというシナリオ。
そういう点からは、FXの場合、米ドル/円にこだわらず、ユーロ/円や英ポンド/円などの売買を行うのがいいかもしれませんね。
主要国経済が第二四半期に再加速か
JPモルガン・チェース銀行は、2018年第一四半期を底に再加速している可能性ありとの考え。2017年第二四半期をピークに減速した後、底打ちし、上昇していくとの予想。
特に、ユーロ圏の景気減速が心配なところ。他にもアルゼンチン・トルコの通貨安やブラジルや中国の株価下落などが生じていました。日本・ユーロ圏・英国などの再加速するのでしょうか。
米国以外の国が景気回復すれば、米ドル及び日本円の両方が弱くなり、米ドル/円はレンジ相場というのが差佐々木融氏の予想。