2018年の4月は、FX・株式で悲観論と楽観論がないまぜ状態。ミント・パートナ―ズのビル・ブレイン氏は、イースターを終えて、金融市場のムードの変化を感じたとのこと。そして、JPモルガンの佐々木融氏は、米国経済の成長は続き、米ドル/円の円安予想を出しました。
FXサイトの目次
FX・株式市場のムードは、変化したのか?
◆2018年に入り、崩れ始めた株価:調整か下落トレンドの始まりのどっち?
GMOクリック証券のFXネオ 2018年4月5日 NYダウと日経平均株価の週足チャート
ミントパートナーズの【Bill Blain(ビル・ブレイン氏)】は、市場の変化を感じる
ゼロヘッジへの寄稿をカンタンにご紹介。
株式市場はクラッシュしており、債券利回りは低下し、イールドカーブは平たん化。トランプ大統領と中国の対立激化などが生じて、市場は緊張状態が継続。
- 世界的な経済成長が、株式市場の上昇と金融引締めを正当化
- 株価の下落・世界情勢の鈍化・利回り曲線のフラット化による市場の荒廃を懸念
米国の経済成長が続いていることを金曜日の雇用統計データで確認できるでしょう。
金融市場のムードは、2つの理由で変化
しかし、市場のムードは変わりました。主な要因は二つ。
私たちは引き続き、世界的にシンクロナイズされた強力な成長が株式の高騰と金融引き締めを正当化したと考えています。
1.政治的な脅威:米国トランプ政権と中国の貿易戦争が深刻化する可能性。ロシア対欧州、米国・トルコ・中東などの対立懸念。トランプ大統領が主張している株式相場上昇への貢献は間違いだったかも
2.テクノロジー株がバブルだとの評価が急上昇:フェイスブックには、多くの規制違反がある。アマゾンのオンライン販売は独占的だが、株価を正当化する程でしょうか。テスラは、多くの車を生産していない車会社。そして、トランプ大統領は、アマゾンに対して攻撃的な姿勢を見せています。
10年前との株式市場の変化
2007年の世界金融危機前は、時価総額トップ10で唯一のテクノロジー企業がマイクロソフトでした。残りは、エクソン・GE・シティグループ・AT&T・シェル・BOA・ICBC・HSBCなど。
現在は、アップル・グーグル・マイクロソフト・アマゾン・テンセントがトップ5。バークシャー・ハサウェイ、アリババ、フェイスブック、JPモルガン、J&Jが入ることになります。テクノロジー株は、トップ10の時価総額の80%近くを占め、10年前の10%から大きくシェアを高めました。
つまり、フェイスブック・アマゾン・テスラなどに生じつつある火種が大きくなれば、株式市場全体が大きな影響を受けることになります。
世界の株式時価総額ランキング:2007年にランク上位の機械・銀行・エネルギー企業はランクを落とし、テクノロジー株や中国企業が上位を占めています。
佐々木融氏による米ドル/円:111-112円台の円安予想
一方で、佐々木融氏は、世界経済に対する楽観論を維持している様子。そこまで悲観論を出さずに実需の面から米ドル高円安を予想しています。
2018年4ー6月期に111ー112円台のドル高円安を予想。
米国は、法人税減税&歳出拡大が実行されることから、堅調に推移し企業収益が拡大していくとの基本シナリオ。FX市場では、ドル高円安が進むのではなく、105~111円程度でのレンジではないかという意見です。
佐々木融氏の予想根拠
フィナンシャル・ポインターのサイトで紹介されています。
3日のテレビ東京番組で佐々木氏が今四半期のドル円相場を予想した。その前日、米株価下落によりリスク・オフのドル安円高が進んだものの、それもノイズにすぎないといったスタンスだ。111-112円の円安を佐々木融氏が予想
- 世界経済の回復が継続:円安
- 対外直接投資の拡大:円安
- 対外証券投資の活発化:円安
- 日米金利差拡大はFXとの相関が、現時点では小さい:中立
- 貿易交渉で、為替条項が問題になればリスク:円高リスク
米国の短期金利が上昇したため、本邦からのヘッジ付き外債投資がコスト高になり、ヘッジ無しの外債・外国債投資が増える⇒円売り要因となる。
◆米ドル/円の日足チャート:アイネットFXのペンタゴンチャート
2018年4月5日現在は、106円台の後半ですから、111~112円台となると5~6円の円安余地。2018年4-6月期ですから、そこそこの上昇トレンドとなります。
3月下旬の105円割れを底に、反転していることは、チャート上で明らか。ここから更に上を追いかけることになるのか?
それとも、貿易戦争やテクノロジー株の崩壊とともに、FX・株式はリスクオフに傾くのでしょうか?
両シナリオともにありえそうなので、両面に備えておきましょう。