米国と中国の貿易戦争がついに始まります。2018年3月22日、米国の知的財産権を中国が侵害しているとのことから、最大で600億ドル規模(約6.3兆円)の中国製品に関税をかけることが決まりました。トランプ大統領は大統領覚書に署名。
米国は知的財産権侵害で600億ドル規模の関税
これを受けて、株価は急落・FXもリスク回避の円買いが生じました。
- 米通商代表部は、関税対象の品目リストを作成:約1300品目
- 30日の審査期間で意見を求める
- 最終的な関税を実施
- 中国の国有企業やファンドによる米ハイテク企業買収規制を実施する方針
トランプ大統領の目的は貿易赤字削減で、これを制御するのは不可能と宣言。交渉を継続しながら関税を発動と、実行力を伴った脅しを実施。
- 中国とはすばらしい関係を築いている
- 米国の貿易赤字は5200億ドル(3750億ドルとも)
- 世界の歴史で最大の赤字
- 何百億ドルの知的財産侵害が起きている
- NAFTAは再交渉中
- 欧州連合(EU)には、強い関税障壁がある
- 中国とは301条を発動する
- 貿易赤字を1000億ドル削減するように要請しました。
- WTO(世界貿易機関)創設以来、非常に不公平な状態が続いている
- 中国・EU・WTOと交渉を行う
- 交渉の間に、301条を発動する
- ハイテク技術は、米国経済の中核
- 私は、日本の安倍総理大臣、他と話しました。
米国の貿易赤字は、中国が半分近くの47.1%を占めており、メキシコ:9.0%、日本:8.7%、ドイツ:8.1%と続きます。今回の件は、米国の貿易赤字削減・貿易戦争の本命となる内容であり、FXに大きな影響を与えるでしょう。カナダドルや韓国ウォンにはリスクありで、日本円は買われやすい。
日本の安倍首相とは、対中問題・貿易赤字削減について、合意ができている様子で、署名の説明の中に、わざわざ安倍総理大臣の名前を上げています。
米中貿易戦争における中国の対抗措置
中国が知的財産権の侵害にどのような対抗措置を取るかはまだこれから・・・・
まず、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置への対応として、最大30億ドルの輸入品への対抗を行う計画があると発表。中国大使館は、断固として保護主義と闘うと表明しています。
大使館は声明で、「米国が貿易戦争を起こすならば、中国は自国の正当な利益を保護するため、全ての必要な措置を講じて最後まで戦う」と表明した。ロイター
中国の世界貿易機関(WTO)大使、張向晨氏は、WTOへの申し立てを表明。米国側もWTOに知的財産権について提訴する方針。
WTOが調停機関として役立つかはちょっと疑問。トランプ大統領はWTOが当てにならず、米国に不利だと牽制継続していますので。
貿易赤字削減のために、FXで米ドル安へと誘導する方向は、今後も続くのではないかと思います。
◆米ドル/円の月足チャート:2018年3月23日 JFX
米中貿易戦争次第で、100円を目指すシナリオが浮上。