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黒田日銀総裁は、再任前にようやく出口戦略に言及

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黒田日銀総裁は、再任とともに2019年度頃の出口戦略検討を発言しており、日銀の金融政策決定会合及び総裁記者会見で、FXの相場が動く可能性が高まっています。

以前から出口戦略を議論しないということと市場を混乱させるという意見を持っていた黒田総裁。2018年3月2日の発言からは、目標達成と出口戦略がセットになっており、目新しさがあったわけではありませんが、ようやく出口戦略に言及したことで、FXは円高へと反応しました。

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黒田日銀総裁と出口戦略

2013年3月に就任した黒田総裁。異次元緩和というバズーカを放ち、2年をめどに2%のインフレ目標達成をぶち上げましたが、5年たった2018年現在もまだ目標は達成していません。

しかし、再任に向けた所信聴取後の質疑で、2%達成時期を2019年度頃だと確信していると見通しを示しました。当たり前のことを言ったとはいえ、市場には衝撃が走り、10年債利回りは、0.08%に上昇、米ドル/円は106円前半から105円台に下落。

第一期に比べて、第二期黒田日銀は、米国の保護主義的政策から円安誘導も行いにくく、消費税増税もあって、なかなか難しいものになりそうです。元々、出口戦略のむずかしさは、言われていた話であり、米国⇒欧州⇒日本と最後になる国こそが、市場のクラッシュを呼び込むリスクが最も高くなるのではと思います。

当然、出口戦略は、一気に全てを実施するのではなく、まずは、長短金利操作付き緩和(YCC)をどうするかと言う点から検討すると総裁は話しています。

黒田総裁:長短金利操作付き量的・質的金融緩和(YCC)を2016年9月に導入したが、1つは長短金利操作ということで現時点では短期金利をマイナス0.1%、10年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針の下で、毎回の金融政策決定会合で2%の物価安定目標に向けたモメンタムが維持されているかどうか、よく点検していくことになっている。

もう1つが実際の物価上昇率が2%を安定的に維持するようになるまで、マネタリーベースの拡大を続けると言っている。マネタリーベースの拡大が続くという意味では、2%になって、それがある程度、安定的に続かない限り、マネタリーベースの拡大は続く。

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ただ、YCCは毎回の金融政策決定会合でモメンタムが維持されているかどうかをみて検討されるので、より弾力的になっている。このため、すべてのことがマイナス0.1%の政策金利やゼロ%程度の10年物国債の操作目標がずっと2%が実現されるまで一切、変わらないといっているわけではない。ロイター

これまで、黒田総裁が出口戦略について検討していることを離さない姿勢の方を非難していたFX・金融アナリスト側の多くは、今回の発言を市場混乱に追い込むと非難している向きが多い。日銀にもう少し緩和を続けて欲しいという市場ムードを表している感じを持ちます。

一方で、情勢次第での更なる追加緩和の実施も否定していません。現状は、原油価格が高値安定しており、大きくインフレ率が下がる気配はありません。怖いのは、米国の保護主義や消費税増税による景気ダウン。北朝鮮リスクがある中、米国に逆らえない日本は、相当の軍事物資や兵器を購入することになりますが、米中対立軸の中で、中立を選ぶと苦しい立場に立たされそうです。安倍首相は、完全に米国追随ですから、世論に配慮しながら、上手く舵取りをする必要があります。

◆米ドル/円の月足チャート GMOクリック証券の月足チャート

米ドル/円の月足チャート

出口戦略がはじまれば、異次元緩和前のレベルに戻るリスクもあり。

若田部・雨宮次期副総裁候補の発言:2018年3月5日

<若田部氏の主な発言>

  • 金融政策は、必要なら追加緩和を提案。内容は、現行政策の強化が第一の検討課題。
  • 2%の目標達成が難しければ、追加緩和を検討
  • 長期国債の4割を日銀が保有しているが、6割は市場に残っている
  • デフレ・2%の物価安定目標を達成してから出口戦略を行う

<雨宮氏の主な発言>

  • 副作用や出口など課題は多いが、全体として効果が大きい
  • 財政ファイナンスは意図していない
  • 市場の安定を確保しながら出口戦略を実施することはできる。
  • その時の状況次第

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