米国のFOMC(11月1日発表)では、利上げはなく、労働市場の強さを指摘。ハリケーンの影響・被害はあったものの経済は好調。ハリケーンの影響でガソリン価格は上昇し、9月のインフレ率は上昇。
2017年6月に利上げを行って以来の1.00-1.25%の政策金利を維持しました。
10月FOMC&10月米雇用統計の結果
- インフレ率の前年同月比は、2%を下回っており、インフレ期待の指標に変化は少ない。
- バランスシート正常化は、継続
今回のFOMCを受けて12月の利上げについて確実視されつつあります。インフレ率は低いものの経済は良好。このジレンマを解決するのは、イエレン議長の後任となるパウエル氏の仕事。
ハリケーンによる被害と被災地復興は引き続き、短期的に経済活動や雇用、インフレ率に影響を及ぼすが、過去の経験では、嵐が中期的に国内経済の方向を著しく変える可能性は低いとみられる。FOMC声明文:ハリケーンの影響
そして11月3日の10月米雇用統計は、ハリケーンの影響でいつもと違う数字になっています。
◆非農業部門雇用者数:26.1万人増(予想は31.2万人)
これは、ハービー&イルマという2つの大型台風の影響で、悪かった前月(+1.8万人増加:-3.3万人から修正)の反動。
失業率は4.1%と、金融危機以来最低のライン。
米経済が好調を続ければ金融引締スピードが加速
では、今後の米金利はどうなるのでしょうか。米金利が上がれば、米ドル高に動きやすくなりますからね。FXトレードにとっても重要。
米経済及び労働市場の好調さからは、緩やかな利上げのスピードを加速させなければいけません。
一方、上がらないインフレ率は、緩和を促す指標。さらに、トランプ政権の望む株高・低金利・高成長を実現するためには、利上げスピードの維持もしくは緩めることを求められるでしょう。
米金融大手のJPモルガンチェースは、10月雇用統計の結果から【2018年の利上げ回数を3回から4回に引き上げ。】マイケル・フェロリ氏は、緩和の安定的で定期的な解除の必要性を感じるだろうと指摘。
CMEのドットチャートでの先行きの金利動向
以前に、債券トレードで著名なビル・グロス氏は、長期金利が2.60%を超えると債券の弱気相場がはじまる可能性があると指摘。
◆NYダウと米10年債金利の動き GMOクリック証券のFXネオ 2017年11月7日
FRBの利上げにも関わらず、上がらない米10年債金利。2018年の利上げが3~4回ということになるとさすがに上昇してくるのではないでしょうか。その時に、株価は耐えられるのでしょうか。