英国のイングランド銀行は、2017年11月2日に10年ぶりの利上げを行いました。政策金利を0.25%から0.5%に引き上げ。利上げは2007年7月以来の約10年ぶり。この発表の後、英ポンドは材料出尽くし感などから下落しました。
英国は、物価の上昇が続いているために、利上げによってインフレを抑える狙い。
2017年11月:英国が10年ぶりの利上げ
- 2020年の年末までにあと2回の追加利上げを行う可能性
- 3年後のインフレ率は2.2%を予想。政策金利が1%に達する前提
- 債券購入プログラムについては現状維持
- 今後の利上げ見通しは限定的で緩やか
9人の委員会のうち、ジョン・カンリフ副総裁とデービッド・ラムスデン副総裁は反対票を投じたものの7対2で利上げを決定しました。
今後については、EU離脱(ブレグジット)が、最大のリスクで先行きの不透明感があると話しています。
英国は、ブレグジットによるEU離脱で、英ポンド安が生じてインフレ率が上昇。一方、ブレグジットのゆくえが分からないことから、投資は減少して成長率が鈍化。失業率が低くなっているため景気拡大しにくいという状況。
利上げによって景気低迷した場合には、またもや利下げに動く余地を残しての利上げ。
◆英ポンドの日足チャート:GMOクリック証券のFXネオ 2017年11月3日
英国が0.5%に利上げした後の英ポンドチャート
英中銀は会合後の声明で、前回の声明にあった市場予想よりも大幅な利上げが必要となる可能性がある、との文章を削除したことなどから、ハト派色が強いと見なされた模様。
◆英国のインフレ率:世界経済のネタ帳
英国のインフレ率は、目標の2%を大きく超えるレベル
◆経済成長率の推移:英国・米国・フランス・ドイツ
英国:1.66%、アメリカ:2.18%、ドイツ:2.05%、フランス:1.57%。米国とドイツに比べて英国経済成長率は低め。
今回の利上げは、EU離脱のブレグジットで利下げをした分を戻した格好。量的緩和の規模自体は維持しています。