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  1. ユーロと欧州
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2017年10月のECB理事会は、量的緩和の再調整・規模縮小でユーロ高にならないように工夫す

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欧州中央銀行 (ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、量的緩和政策の延長&縮小を決定。このことをテーパリングではなく「再調整・規模縮小」と呼び、量的緩和自体は継続していることを強調。

量的緩和(QE)を継続し、インフレ目標の達成に力を入れることを示しました。為替相場は、ユーロ安で反応。

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ECB理事会:2017年10月は量的緩和政策の再調整・規模縮小

ドラギ総裁の話すテーパリングではないというのは以下の違い。終了が決まったわけではなく臨機応変に対応していくということです。

  • テーパリング=量的緩和の規模を縮小していき、最終的にゼロとなり終了
  • ECB理事会2017年10月の決定:規模縮小であり、終了させるわけではない。金融情勢やインフレ率が下がれば、拡大や期間延長を行う

では、具体的な内容を見ていきましょう。

  • 毎月の債券買い入れ額:600億から300億ユーロに減額、2018年1月以降
  • 時期:2018年9月まで延長。QE終了時期は決まっていない
  • 理事会の意見:全員一致ではなく、終了時期の明示が必要との主張もあり
  • 主要政策金利は据え置き

主要政策金利のうち、市場介入金利である定例買いオペの最低応札金利(リファイナンス金利)を0.00%に、下限の中銀預金金利をマイナス0.40%に、上限の限界貸出金利を0.25%に据え置いた。一方、非伝統的手段である資産買い入れプログラムによる量的金融緩和(QE)の規模縮小とQEの実施期間の延長を決めた。モーニングスター

モーニングスターは、ダビッシュ・テーパリングと呼んでいました。

量的緩和終了によるユーロ高⇒景気悪化を嫌気してユーロ高にならないように心がけたのでしょうか。また、カタルーニャ問題をはじめ欧州にくすぶる火種は多いことから、QE終了を決めるのではなく、機動的に動ける体制を残した形。

これで、大きなイベントが無い限り、ECBは、上記方針で2018年を過ごすことが決まりました。

今後、買入れ対象となる債券の不足が心配されることになりそうです。

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また、買い入れ対象となる債券の不足によってプログラムが制約を受けるとの指摘に対しては「われわれのプログラムには十分な柔軟性があるため、われわれは規模を調整することが可能だ」と言明した。ロイター

ドイツ債の購入額は目標に届かないことがあるなど、QEによって歪みは生じつつあります。

QEでECBが保有する公的部門債券の上限は単一銘柄で発行高の33%。一つの発行体に対するエクスポージャーの上限も33%。この双方にECBのドイツ債保有高が「近づいている」とモルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、アントン・ヒース氏はリポートで指摘。同社の試算によると、33%の上限を突破するまでに追加購入できるドイツ債は約800億ユーロ。毎月600億ユーロ購入する債券のうち、約95億ユーロがドイツ債の現状を考えると、「プログラムが2018年2月か3月まで続行可能であることが示唆される」と同氏は分析した。ブルームバーグ

◆ユーロ/ドルの月足チャート アイネットFX 2017年10月27日

今回のECB理事会の決定を受けて、ユーロ安で反応した為替市場。下がったところは押し目買いのチャンスかもしれません。

ユーロドルの月足チャート

◆ユーロ/円やユーロ/ドルの日足チャート FXネオ

日足チャート

ユーロ/円・ユーロ/ドル共にユーロ安に動きました。

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