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FRBイエレン議長は中立金利が低く見えると証言し、ハト派として米ドルを下落に導く

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FRBのイエレン議長は、下院金融サービス委員会(2017/7/12)において、今後の金融政策に関する方針を明らかにしました。

直後の為替市場は、この内容をハト派と判断して、ドル安に動きました。

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イエレン議長の議会証言:政策金利の話はハト派

米国の金融政策は、現在、このような基本シナリオで動いています。

  • 利上げ=ドル高
  • バランスシート縮小=ドル高

このうち、利上げについて、政策金利を高い金利にしなくても良いのではないかと発言したために、ドル安に動きました。

●米ドル/円の日足チャート:GMOクリック証券のFXネオ

米ドル円をはじめとした為替相場

FXトレーダーのみなさん、米ドル/円だけでなくユーロ/ドルを見ておきましょう。

なぜなら、「中立金利は、過去に比べて低く見えるために政策金利を大きく引き上げなくても良い」という見解をイエレン議長が示したから。金融緩和でも引締めでもないちょうどよいレベルの金利である中立金利は昔より低いのではないかということです。

かつてのように、6%や10%もの金利にはならないとイエレン議長は判断しているようです。となると。現在の1.00-1.25%という政策金利は、それ程、高くまで上がらないでしょう。人口の高齢化・債務増大などによって、高インフレ・高金利時代は持続不可能というのは、普通に出てくる考え。

ロイターニュースによる今回のイエレン議長の主な発言は以下の通り。それ程、新しいニュースはありません。ただし、イエレン議長の任期は2018年2月で切れます。そのため、本格的なマネタリーベース縮小は、後任議長に託されそうです。

・2%のインフレ目標達成に注力。

・インフレ目標2%を引き上げることは「討議の議題ではない」。

・米連邦公開市場委員会(FOMC)は、国債のみで構成されるポートフォリオに戻す意志を明確にしている。

・インフレ率が目標の2%を持続的に下回り推移するリスクを認識している。

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・一時的要因がインフレの上昇を抑制しているもよう。

・米インフレ率が今後数年で2%に上昇する軌道に乗っていないとの判断は時期尚早。

・短期金利の上昇に伴い、各銀行は預金を巡る競争から預金金利を引き上げる見通し。

・人口の高齢化が労働参加率への下押し圧力となっている。

・現在の税制や歳出めぐる決定を踏まえると、債務は持続不可能。

・バランスシートの正常化「比較的近く」開始する必要があると考えている。

・任期全うしたい、続投について考えをめぐらしたことはない。

・中立金利のニューノーマル、多少低いように見える。

・FRB、労働市場と賃金の関連性が弱まっていると認識。

・バランスシートは2022年までに通常水準に戻る可能性。

・バランスシートの正常化開始が円滑に進むと想定しており、そう望む。

・FRBが掲げるインフレ率2%の目標を踏まえると、賃金の伸びは幾分低いようにみえる。

・生産性の伸びの低迷が賃金の伸びを抑制している可能性。

・自動車販売がピークから減少したとしても、雇用の伸びを支える消費者需要は存在。

・資産のバリュエーションに関して見解は示さないとしながらも、歴史的なレンジの上限にあると指摘。

・現在の資産バリュエーションの巻き戻しによる金融安定へのリスクは緩やか。

バランスシート正常化の方が問題・リスク大

カナダ・英国などの中央銀行が金融引締めに動いています。世界的な金融引締めの実施で、米ドルの独歩高は避けたいのが、FRB&トランプ政権の意向でしょう。

ただでさえ、量的緩和の出口戦略は難い。資産価格の上昇が量的緩和のおかげならば、それを巻き戻せば、下落に見舞われるというのはカンタンなロジック。

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOも政策金利の利上げよりもバランスシート正常化の方を心配しています。なにしろ、過去に経験のない事態です。現在は、大きな潮目の変化の最中にあり、買われ続けた米国債・米株が売り手に変化したならば、未曽有の災害へと変化しかねません。

FXトレーダー向けの当サイトでも上記の内容を過去に掲載しています。

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