長期金利の指標たる米10年債は、2.35%(2017年7月11日)まで上昇してきました。6月の米雇用統計も好調を見せたことで、FRBの利上げ&バランスシート縮小路線は進んでいくでしょう。FXの中心通貨ペアの米ドル/円は、日米金利差が意識される環境にあります。米大手ファンドのブラックロック&ガンドラック氏の金利予想を確認してみました。
米長期金利の上昇は市場をクラッシュさせる?
ブラックロック&ガンドラック氏は、長期金利の上昇を予想しています。その結果、米株価がクラッシュするリスクがあります。
ブラックロックの米長期金利予想
ブラックロックのRick Rieder氏は、【米10年債の利回りが2017年末までに2.50-2.75%近くまで上昇するだろう】と予想。米雇用統計の好結果を市場は好感しており、失業率は4%前半もしくは3%半ばまで低下する可能性がある。FRBは金融政策の正常化を継続できるだろうとのコメント。
今からだと0.15%以上の上昇余力があります。
●日米10年債金利と米ドル/円:GMOクリック証券のFXネオ 2017年7月12日
ただし、米10年債金利が上昇すれば、必ず米ドル/円が上昇するとは限りません。米10年債金利は、2013年12月に3%を付けた後に下落しました。しかし、米ドル/円は上昇しています。日本の金利も下がっていますし、様々な要因が重なって為替相場は動きます。
日米金利差が拡大⇒FXでいうスワップポイントが拡大し、金利を貰える米ドルは買われる傾向。
ガンドラック氏の警告をファイナンシャルポインターから抜粋してみましょう。
ガンドラック氏は、7月2日に10年債利回りが上昇に転じていると警告。10年債の重要な節目は、米2.32%、独0.5%と警告。その後に、米国は2.35%、独は0.55%とガンドラック氏の予想通りに、長期金利は上昇しました。
さらに、FRBは市場に警告を発していると指摘。完全雇用は実現しており、資産価格は大幅に上昇。金融引締め・利上げをすれば、資産価格は下がる。
7月7日のツィートでは、米10年債・30年債の大台が近づいていると厳しい警告。2.42%・2.95%を超えるとヤバい!
米10年債・30年債が大台に近い。それぞれ2.42%、2.95%を超えて終え、フラッシュ・ベアだ。いいニュースは2年債の売りが失速したこと。持ちこたえるだろうか?」
●NYダウと米10年債金利
リーマンショック後に上昇を続けていた米株価。いよいよクラッシュの時はちかいのでしょうか?
FRBイエレン議長のメインシナリオは、9月にバランスシートの縮小を公表。12月に今年3回目の利上げです。一方、米経済の好調は夏場を迎える前にピークとなる可能性があります。FRBの責務は、雇用やインフレの方がメインであり資産価格の維持ではありません。資産価格げ大幅に下げれば、結果として雇用を守れないということになりますが。
米ドル/円、米株価を左右する米長期金利の動きには、FXトレーダーは敏感になることが必要そうです。2017年7-9月はFXを売買・勉強するチャンス!