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  1. 為替を動かす変動要因
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もし、北朝鮮で有事が起きれば、キャリートレードの巻き戻しで円高になるリスクあり。

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有事の際に、日本円が買われるのは「安全通貨」だからではなく、投資家がポジションを閉じることが原因=「調達通貨」だから。JPモルガンの佐々木融氏は、2017年4月の北朝鮮有事に備えての円相場の動向を解説してくれています。

戦争などの有事が起きるとリスクオフとなり日本円は買われます。イベントリスク時の為替相場は、こちらの記事で解説している通り、FXトレーダーが最初に覚えておきたいこと。

そのリスクオフ時の動きは、安全通貨の円を買うのではなくポジションを決済することで起きるといのが佐々木氏の説明。FXでは、金利の高い通貨を買い・金利の低い通貨を売るポジションを持つと金利差としてスワップポイントを貰えます。そのため、為替の変動幅次第で下記のような状態が生じます。

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変動率が低いときは、金利差に注目したキャリートレードが増加

  • ボラティリティ(変動率)が高い時=金利差よりも為替の変動を意識する
  • ボラティリティが低い時=市場の変動で利益を取り難く金利差を意識する

金利差に注目すると、金利の高い通貨を買い、低い通貨を売りますが、そこで売る側に回るのが日本円やスイスフラン。

●SBIFXトレードの為替レート画面:2017年4月11日 スプレッド&スワップで有利:今ならアマゾンギフト券を貰えるかも!?

為替レートとスワップ

画面の右端にある「売SW・買SW」が、FXで受払する金利差のスワップポイント。金利の高いNZドルやトルコリラを買い、日本円を売るとスワップポイントが毎日貰えます。逆に金利の低い日本円を買いNZドルやトルコリラを売るとスワップポイントを支払います。

●1万通貨あたりのスワップポイント:2017年4月11日のSBIFXトレードでのデータ

  • 米ドル/円=米国1.00%、日本0.1%、スワップポイント33円
  • NZドル/円=NZ1.75%、日本0.1%、スワップポイント39円
  • トルコリラ/円=トルコ8.0%、日本0.1%、スワップポイント87円

為替相場が全く動かなければ、毎日、スワップポイントを貰えます。

そのため、世界の金融市場は、金利差狙いの高金利通貨買い円売りポジションが増えます。日本円を調達通貨とすることから円キャリートレードとも呼びます。

世界的に変動率が低いほど、このキャリートレードのポジションは増えます。そして、より多くの利益を得るために、レバレッジを大きくすることで保有ポジションは増加。1万通貨で33円ならば10万通貨なら333円、100万通貨なら3333円も入りますからね。

さて、そこで、戦争や大災害といった変動率が上昇するイベントが起きるとどうなるでしょうか?

イベントリスクで変動率が上昇

さて、大量の金利差狙いのポジションを持っていた世界中の投資家・FXトレーダー。急に為替相場が乱高下しだすと、レバレッジ次第ではロスカットされるリスクも抱えています。

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そのために、まず、保有しているポジションを決済して、ポジションを軽くします。

ということは、高金利通貨買い日本円売りのポジションを手仕舞い⇒高金利通貨売り日本円買いの注文が短期的に集中しますから円高に動きます。

佐々木融氏も説明しているように、まず、ポジションを決済しなければいけません。日本で災害や戦争が起きて、日本の資産や通貨にリスクが生じても同じです。米ドルやユーロを買う前にキャリートレードを閉じることが最優先。

2011年3月の東日本大震災の時も、円高に進みました。

北朝鮮で有事が起きた時のシナリオ

今、米国と北朝鮮の間は一触即発。

もし、北朝鮮で有事が起きた場合にどうなるのでしょうか?

日本のそばで、被害をこうむるから円安に動くのではないかとも言われています。しかし、上記の理由から円は買い戻されて円高になる可能性が高いでしょう。

佐々木氏は、有事の円買いを三段階に分けて想定しています。

★第一段階:有事の円買いの経験則で、有事が生じた直後に、投機的な円ロング(買い)ポジションができる。4月7日のシリア攻撃報道直後に円高になった理由はこれ。そして続報がないと円は売り戻される。

★第二段階:金利差狙いの円売りポジションが巻き戻される(決済)。これは、東日本大震災の時に起きた現象。イベントで生じたリスクが大きければ大きい程、数日以内にポジションの手仕舞いが起きて、本格的な円高が到来。

★第三段階:本邦投資家・企業による海外投資のヘッジ及びリパトリ(資金を本国に戻す動き)。有事が起きると企業であれば売上減少、個人であれば給料や事業収益減少等が見舞われるリスクが生じます。場合によっては、経営や投資の判断をし難い状態が起きてしまいます。そのため、リスクを抑えるために海外資産を処分したり為替リスクを減らすヘッジを行います。リーマンショックの時に起きた事象。

日本の対外資産は1003兆円、純資産は358兆円(2016年)。そのため、日本人が為替リスクを避けて、円を戻す動きにでると巨大な円買い圧力。この円高巻き戻しの威力は相当強力になるでしょう。

イベントリスク時の為替

北朝鮮有事が、短期間で終れば、円高の動きは、1日で終り。日本や世界の経済活動に相当な影響を与える場合には、大幅な円高になりやすいというのが佐々木氏の結論。北朝鮮有事の円相場シミュレーション=佐々木融氏

第二・第三段階が、キャリートレード含む巻き戻しの動き。北朝鮮が韓国や日本に侵攻・大量のミサイルで施設破壊・大規模破壊活動といった経済的な大ダメージを与えるようなケースだと、大きく円高に動くリスクがあるということ。

ちなみに、外貨預金のヘッジ・円高・円安時の差益狙いにFXは最適ですよ。

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