日銀は、金融政策決定会合で、現在の方針を維持すると決定(2016年12月20日)。
長短金利操作付き・量的質的金融緩和=何だかいろいろと付属品が付いている印象。
●GMOクリック証券のFXネオ
日米金利差がかなり開きました。2.55%と0.06%、あなたが投資家ならば、どちらを選びますか?
もちろん、2.55%貰える方ですよね。このまま、日本の金利だけ低いと・・・円安が加速してしまいます。日銀はどうするのか?これからのFXは、中央銀行の動きに注目です。
日銀の12月金融政策決定会合
- 短期金利=政策金利残高にマイナス0.1%の金利
- 長期金利=10年物国債金利を0%程度になるように、長期国債を買い入れる。買入れ額のメドは年間約80兆円
- インフレ目標は2%のまま
- 新興国経済を弱さが残るも緩やかな成長と情報修正
- 景気の先行きも緩やかな拡大に転じると上方修正
- 物価の判断は据え置き、先行も当面小幅のマイナスもしくは0%程度で推移
トランプ次期大統領が選挙で勝ってから、金融及び世の中は変化しましたが、日銀は現状維持。トランプミノクス
米国を中心に金利上昇、日米を中心に株価上昇、OPECの協調減産、アニマルスピリットの復活、グローバル化の敗北。
という動きの中で、デフレからインフレに世界が動きつつあります。2017年は、景気回復&インフレが起きる可能性が高いと考えます。
日銀としては、現状維持を選択することで、目標とするインフレ2%を達成できると踏んだのでしょう。
ただし、日本は少子高齢化という爆弾を抱えており、今の状況で、インフレに合わせた賃金上昇が起きるとは思えません。
そもそも、少子高齢化を劇的に変化させるのは不可能。合計特殊出生率の1.43を2.00以上に増やすことは、過去の歴史を振り返ってもむずかしい。ローマ帝国もローマ人の少子高齢化に悩み奴隷をローマ市民に組み入れました。逃げ恥でもみくりさんが学生の出産を提唱していましたね。それくらいに思い切らないと無理。
シナリオとして円安・資源高でのインフレ⇒そろそろ、本気で悪性インフレなどのリスクを考えなければイケナイのではないでしょうか。FXでの外貨買いがその対応策の一つ。
今後の日銀はどうするつもりでしょうか。舵取りが試されます。米欧が、緩和から引締めに向かう中、日銀の緩和に出口が無い可能性があります。下記は2015年8月と一年以上前ですが、ファンド運用をしている方が書いた記事。量的緩和バブル崩壊後のリスクに触れています。
世界的な量的緩和終了後
世界的な量的緩和が終わり、債券と株式の両方が下落するときに一番強い立場にあるのは、一番利上げが進んでいる国である。利下げ余地が一番大きい上に、量的緩和の再開も行えるからである。
一方で、量的緩和の終了が一番遅かった国は、利上げを行っていない以上利下げを行うことができず、緩和の選択肢は量的緩和の再開しかない。最後の国の量的緩和に出口は存在しない。米国は少なくともこの立ち位置に立ちたくないのである。
エコノミストの加藤氏も書籍「日銀出口なし」で、出口戦略のリスクについて語っています。
その辺りの話はいずれ書きたいなと思っていますので、お待ちください。
また、今回は、黒田総裁の発言にも注目。
「2%の物価安定には距離」「現段階で円安が行き過ぎて問題になるとの見通しは持っていない」「(長期金利目標の引き上げの)具体的な議論をするのは時期尚早」の3つだ。黒田総裁の発言
現状の円安を容認した黒田総裁の発言。日米長期金利が拡大し、円安が進む中、米ドルが上昇しすぎると米国からの注文が出てくると思います。日銀も急激な円安が続くとは限らず、どこかで止まると考えているのでしょう。
●米ドル/円の日足チャート:アイネットFX