クリントン候補優勢だった2016年米大統領選挙。ついに、11月8日決着が付きました。大統領当確になったのは、ドナルド・トランプ氏。
出馬した時は、共和党内でもダークホース。それが、主流派との争いを繰り広げる中で、ついに勝利を掴みました。
為替市場は大きく荒れました。米ドル/円は朝の105円台が一時は101.18円まで円高進行。その後、戻しています。
●GMOクリック証券のFXネオ
2016年11月8日 18時
トランプ氏の勝因は?
勝因は、英国のブレグジットと同じく、中央政府の既成勢力に対する反発が大きいと思います。
- 中央政府の押し付ける過度な規制
- グローバル化による大企業有利なビジネス環境
- 成功者とそれ以外の格差拡大
- 世界的な移民に対する反発
メディア&大企業といった既成勢力が後押ししたヒラリー・クリントンとの対決になり、インサイダー対アウトサイダーの恰好になったことも大きいでしょう。ヒラリーさんはオバマさんにも負けていますし、選挙に弱いという印象の人。
出典:ヤフーニュース:AP
接戦のフロリダ・オハイオなどで、ことごとく勝利したトランプ氏。
理想の押し付けはもう嫌だ
英国のEU離脱もそうでしたが、規制強化が行き過ぎてビジネスが行いにくく、大企業有利の状況を打破したいという思いや理想を押し付けられることへの反発がトランプ大統領を生み出したのだと思います。ニューヨーク・カリフォルニアといった大都市圏以外のほとんどがトランプ陣営につくなど、政権内部にいて何も出来なかったクリントン候補への失望もあったのでしょう。理想ではメシは食えませんし、同じ人でも実名のフェイスブックと匿名のツイッターでの発言内容のモラル感覚が大きく違うのが現実。
それに対して、トランプ氏は米国第一主義を打ち出して、米国民の心、特に労働者階級の票を掴みました。
確かに世界中の民が自由に移動できて、差別のない世界は理想です。しかし、現実世界は、富や権利には限りがあり、全員に分け与えることはできません。声を大にして言えないことですが、同じ言語・文化・考え方を持った人たちで集まり国を作りたいという考え方の方が主流だったのでしょう。隠れトランプ派が相当数いた模様です。
ヒラリー・クリントン氏の不人気は米国でかなりのもので。それこそサンダース氏との戦いの方が民主党に勝ち目があったかもしれません。
日本ではトランプ氏こそが大統領になりたいだけだとか、売名行為だとかいう非常に浅い理解による馬鹿げた評が一部見受けられたが、そのような子供じみた理由で私財の多くを投げ打ち、暗殺されるリスクを顧みずに大統領選挙に出馬する人間はいない。常識的に考えれば分かるだろう。それが良いものであれ悪いものであれ、トランプ氏には目的があったのである。クリントン氏にはそれが無かった。グローバル・マクロ・リサ―チ
米国のマスコミが連呼する、大学を卒業していない労働者階級がトランプ候補を支持した。それに対して大学を卒業した学のある人間はクリントン候補を支持しているという言い方を今日も何度か聞きましたが、この発言自体が、ちょっと癪に障るのではと思います。
マスコミは、ほぼ、クリントン候補を応援しており、メディア&大企業にどっぷり取り込まれているクリントン候補がニューヨーク・カリフォルニア以外の地域で嫌われている。
ちょっと話は違いますが、リベラル派はまさにワンピースの天竜人の状態。DMMの亀山会長の話はためになりますよ。
そして俺たちはそれをテレビ越しに観てる。自分たちのいるところには弾丸も飛んでこないしさ、なんの危険もないじゃない。どっちが勝っても関係ないしね。それってもしかしたら天竜人の世界に近くない?天竜人の住んでる世界がどういうのかというと、たぶんすごい平和で、食べるものも困らないし、身近に殺し合いもない、天国みたいな国なんだ。下々民の民衆からいろんなものを搾取して、豊かに暮らしてる。今の日本やアメリカも、中東やアフリカなどから資源を持ってきて豊かに暮らしてる。似てるよね。ログミー
今後の予想を描いた記事
- 東洋経済:日本株は「トランプリスク」で暴落するのか
- BOLOGS:<米大統領選>もしトランプが大統領になったら日本はどうなるか?
- 日経ビジネス:もし、トランプが大統領になったら
- ロイター:トランプ大統領誕生
トランプ氏の勝利演説では、ヒラリー氏への賞賛、分断した米国の癒しと団結、スタッフへの感謝と勝者にふさわしい内容でした。過度な悲観論は抑えて推移を見守っていきたいと思います。
為替相場も、一時の急激な円高からは戻していますからね。
トランプ革命など、軽く読める本ですから、一読するとトランプ候補の勝因が分かるはずです。