人民元の空売りをジョージ・ソロスはじめとしたヘッジファンドが実施中とのニュースが報道中。中国は春節が2月頭にあり、この期間などは特にリスキーかも。2016年は2月7日(大晦日)の日曜から13日土曜までの7連休。
ジョージ・ソロスといえば、1992年に英ポンドの空売りで大儲けを得て、イングランド銀行を負かした男として一躍、有名になったファンドマネージャー。FXトレーダーなら一度はその名前を聞いたことがあるでしょう。
人民元空売りを行うジヨージ・ソロスはじめヘッジファンド勢
「人民元空売り」のニュースは、1月31日のウォールストリート・ジャーナル紙など複数のメディアで報道されています。ヘイマン・キャピタル・マネージメントやスタンリー・ドラッケンミラー氏・デービッド・テッパー氏など錚々たる面々が人民元のショート(空売り)を仕掛けている模様。
参考:ZUU:人民元の空売り
ジョージ・ソロス氏が管理・運用するソロス・ファンド・マネジメントは、ダボス会議の席上で、米株の空売りや資源国・アジア通貨の空売りを発表。
FX会社のFXCMが、今後の流動性に不安があるとして、ドルペッグの香港ドル取引を停止したのも気になります。
中国側はジョージ・ソロス氏に反論
一方、中国共産党の機関紙「人民日報」は1月26日の記事で反論。中国経済のファンダメンタルズは良好かつ経済成長率の伸びも米国を大きく上回ると主張。
人民元為替レートについては、昨年以降、人民元相場は対米ドルで小幅に下落しているものの、人民元は1994年の1米ドル当たり8.6187元から2014年の1米ドル当たり6.1428元まで20年近く上昇を続けたと指摘。対米ドルでこれだけ持続的に上昇した通貨は稀だとして、足元の下落は正常との見方を示している。マネーボイス
●中国の外貨準備高は21世紀に大幅増加
2016年2月7日の中国人民銀行の発表では、1月末の外貨準備高が前月より994億ドル(約12兆円)減少し、3兆2308億ドル(約378兆円)になったとのこと。
人民元/USドルの為替レートの推移(2010年1月~2015年12月)
出典:世界経済のネタ帳
ヘッジファンド勢がすでに、人民元の空売り(ショート)ポジションを保有済み。その点では、こういった記事が出てくるのはポジショントーク臭いのですが、今の中国経済の現状等を見ていると、これから怒涛のショートが出てもオカシクありません。ひとまず、春節中は思わぬ相場の荒れに注意しましょう。香港ドルやオフショア人民元を持っているFXトレーダーはもちろん、リスクオフに動くと一気に円高に走りかねません。