中国が人民元切り下げに動く可能性が浮上。中国の国務院は、7月24日に、輸入関税引き下げ・低利融資の拡大とともに、人民元の変動幅を上下双方向に拡大すると公表。前回は2014年3月に変動幅2%への拡大を実施。
第二に、合理的かつバランスのとれたレベルで基本的に安定した人民元の為替レートを維持するために。市場の人民元の為替レート形成メカニズムを改善し、人民元の為替レートの双方向の浮動範囲を拡大。
中国は、人民元を米ドルにリンクしているために、最近の米ドル上昇にあわせて上昇。経済成長鈍化の一つとして人民元上昇があげられる。
中国人民元切り下げのリスク
USD/CNY(人民元)/チャート:日足
1ドル:6.2096元(2015年7月25日)
日本も、高度経済成長に伴い、円高が進み、円高不況が問題となりましたが、中国も同じ現象。
CNH/JPYチャート:SBIFXトレード月足(クリックすると拡大)
CNHは、オフショア人民元の略称。人民元は自由に取引できないため、オフショア市場の人民元をFX会社は提供。人民元取引を出来る会社として、SBIFXトレード・セントラル短資FX・外為どっとコム、上田ハーローFXなどがあります。
★SBIFXトレードのCNH/JPYのスプレッドは2.58(1万通貨単位)のため、短期売買より中長期売買向けの通貨ペア!
2012年9月には12円台だったレートが、2015年5月には20円台まで上昇。
上がりすぎた人民元/円を切り下げ(通貨安)することで、経済回復を行うことを中国政府は検討。通貨安により景気回復を狙うのは、近年の経済競争の中で、どの政府も行う行為。
通貨安戦争(競争)とも呼ばれる。
中国人民銀行がいくら利下げしたって、肝心の人民元がこれから利上げを控えた米ドルにリンクされているのでは、いつまでたっても景気浮揚効果は出ないのです。
今日、このニュースを受けてインドネシア・ルピア、韓国ウォン、タイ・バーツ、オーストラリア・ドルなどが下落しました。その理由は「アジア通貨危機の亡霊」に市場関係者がおののいたためです。marketharck:中国が人民元一日変動幅の拡大を発表 抜本的景気テコ入れ策の切り札 人民元大幅切下げのリスク
広瀬隆雄氏の記事によると、中国の人民元切り下げによりアジア通貨危機が生じる可能性があると指摘。1990年代に起きたことの再来リスクを指摘。ひいては世界の金融市場が混乱していく可能性も示唆。
2015年4月には、ユーロ安への対応問題で、人民元切り下げの可能性が報じられている。
ドイツ銀は顧客向けノートで、ユーロが対ドルで再び下げ足を速め、パリティ(等価)かそれ以上のユーロ安・ドル高水準となった場合、「たとえ国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用が危うくなっても、中国当局が国内輸出業者の競争力が削がれる状況を静観するとは考えにくい」との見方を示した。
外為取引で世界首位のシティグループも先週、著しいドル高がさらに進行した場合、人民元のドル連動が持続可能なのか再び議論が起こるだろうと指摘。「中国人民銀行(中央銀行)が元のペッグ先をドルから通貨バスケットへ移行すれば、人民元は目先、軟調となる可能性がある」とした。2015年 04月 2日 ロイターユーロ安で人民元切り下げ
人民元の変動幅拡大は、現在の中国市場の状況から考えて短期的に切り下げリスクが高まる。長期的には人民元取引の自由化=変動相場への移行へと進む方向。シャドーバンキング問題が浮上した2013年は乗り切れたものの、今回の危機は中国にとって正念場。
バンクオブアメリカ傘下のメリルリンチがこのほど、「中国で15年に金融危機が起きる可能性が高まっている」、「経済成長の鈍化とデフレ圧力の高まりがデフォルトを招きかねない」と警告したことを紹介。さらにメリルリンチが顧客に対し、「経済成長の鈍化と高い負債比率という2つの要素が中国の金融システムに致命的なダメージを与える可能性がある」と報告したことを紹介した。サーチナ