米連邦準備理事会(FRB)は、2014年10月のFOMC(10月28・29日)で、資産買い入れ額をゼロとして、2012年9月に開始したQE3を終了。ただし、超低金利はしばらく続けることと買い入れを中止したものの購入した資産は保有することで景気や雇用への配慮は引き続き行っています。
QE3(2012年9月~)の主な内容
●資産買い取り額は毎月合計850億ドル
- 米国債:450億ドル
- MBS(住宅ローン担保証券):毎月400億ドル
●緩和縮小(テーパリング):2014年1月~は毎月100億ドルずつ減少し2014年10月のFOMCでゼロとなり資産買い入れは終了!
1990年代のバブル破裂後の日本に対してお金をヘリコプターからばらまけば良いと大胆な金融緩和を推奨したベン・バーナンキ議長は任期中にリーマンショックからの金融危機を体験し、量的金融緩和を理論だけでなく実際に実施したFRB議長として名を残す。終了は後任のイエレン議長が今回行う。
バーナンキ議長はプリンストン大学教授だった1999年のジャクソンホールで、日銀に対してバブル膨張阻止のために1998年中に短期金利を8%に引き上げておくべきだったと分析。」2002年には、デフレを放置した日銀の責任は大きく1~2%のインフレターゲットを設定するように提言。=アベノミクスの異次元緩和で実施中。
●SBIFXトレードの週足チャート:アベノミクスと米国の量的緩和縮小による円安トレンド。
FXを始めるなら1ドルから取引できてスプレッドも狭いSBIFXトレードはおすすめです。初心者は1ドルからベテラントレーダーはスキャルピングもスイングもできる!
QEの参考サイト
- 米国の量的緩和政策 【 べいこくのりょうてきかんわせいさく 】:有馬秀次氏の記事
- FRBメンバーの画像付き紹介:一番分かりやすいFRBメンバーのキャラクター紹介
- FRBのFOMCステートメント:きちんと内容を公開してくれています。
- ロイターによるFOMC全文:日本語訳
米国の利上げ時期を模索して為替相場は動く
今後は、米国の利上げ時期や金利上昇に一喜一憂する相場展開になりそう。FRBの量的緩和は異常事態で、「正常化への出口戦略」では、統計数字を見ながら利上げ時期を探るとしています。
欧州と日本は、まだ、緩和終了を終らせる予兆がなく、金融政策の違いが各通貨の動きを左右することに。
あくまでも傾向としては以下。
- 米国:資産買入れを終了しドル高
- 英国:利上げ時期を模索してポンド高
- 日本:異次元緩和中で円安
- 欧州:デフレ懸念で緩和継続によるユーロ安
米国の金利が上昇していけば、円やユーロを借りてドルを買うキャリートレードが復活してきます。そうなるとスワップポイントがもらえてFXトレードブームが再び起きてくるかもしれません。
●10年国債金利比較
- 米国:2.309%
- 日本:0.465%
- ドイツ:0.897%
- イギリス:2.254%
2014年10月30日:ブルームバーグ市況より取得
●GMOクリック証券の月足チャート
ドル/円と英ポンド/円は上昇トレンド。ユーロ/ドルはユーロ安ドル高トレンド。
もっとも、日本円・ユーロともに以前に比べるとかなり安くなっていることも事実。米国の独り勝ち状態はしばらく続きそうな状態。自動車ローンのサブプライム化や原油価格下落は気になるところ。
今回のFOMCでは、米国労働市場の資源活用不足が解消しつつあるとして、イエレン議長をはじめFRBメンバー注目の雇用状況改善に言及。