中国の中央銀行「中国人民銀行」は、2014年3月15日に人民元の米ドルに対する変動幅を上下2%に拡大。
巨大な貿易黒字を中国は計上しており、対中貿易赤字に苦しむ国からは、人民元を割安に維持することで輸出を有利にしていると批判されていました。
変動幅が広がったことで、為替相場が少し変動相場に近づいたと言えます。FXで人民元を取引できる会社もありますのでちょっと状況をまとめておきます。
管理変動相場制導入後の推移(人民元改革)
- 2005年に導入当初は0.3%
- 2007年5月に0.5%
- 2012年4月に1%
人民元改革(じんみんげんかいかく)とは、中国の通貨である人民元を2005年7月より管理フロート制(管理変動相場制)へ移行し、同時に通貨バスケット制を導入した事をいう。変動相場制を採り入れる事で通貨の価値が事実上上がるとの観測から、人民元切り上げとも呼ばれる(wiki)
人民元の基準値
中国人民銀行(中国外貨取引センター)が、現地時間で毎朝9時15分に公表する基準値を基準として、その日は変動幅の範囲しか価格は動かない。
人民元相場が過度に上昇しそうな時には、基準値を安めに設定して上昇を少しでも留める(逆も同じ)操作を施してきた。
●米ドル/人民元相場の月足
●人民元/円相場の月足
●貿易収支の推移
中国・日本・アメリカ:特にアメリカは対中赤字に怒りの声を上げており為替相場について文句を言い続けている。日本が米国に対して巨額の貿易黒字を貯め込み、円高誘導させられたのと似た構図。
FXでの人民元
FX会社のいくつかはオフショア人民元を取引できます。
取引するときにはスプレッドやスワップポイントの数値を確認して行ってください。
2014年の中国政府経済目標
第12期全国人民代表大会(全人代)による。
- 実質GDP成長率:7.5%前後
- 消費者物価上昇率:3.5%前後
- 都市登録失業率:4.6%以内
- 貨幣供給量(M2)の増加率:13%前後
●中国の経済指標など統計データの入手方法
皆が苦しく、私も貧しいが隣も貧しい時代は終わり。隣は金持ちなのに自分だけが貧しいという貧富の格差拡大は大きな社会不安に繋がります。
中国リスクの顕在化
数年前から言われている中国リスクが顕在化しつつある。
- 不動産バブルの崩壊
- 大気汚染(PM2.5など)や水質汚染など環境問題
- 経済成長率の鈍化
- 社債・理財商品のデフォルト
- 周辺国との領土問題
李国強首相は、「中国は深刻な問題に直面と発言」など2014年新興国危機の本命が動き出している。